【育毛ケアの原則】:抜け毛・薄毛を実感したら知っておくべきこととは?

育毛の知識

抜け毛、薄毛を実感し始めると、何かしなくては…でも何から手をつけたらいいかわからない」と焦る気持ちが強くなります。

育毛剤育毛シャンプーサプリメントなどに頼りたくなるのも理解できますが、以下の原則を理解していないと、どんなに良いツールを使用しても効果を実感できないことが多いのです。
これからお伝えする原則をしっかり理解し、正しいケアを行うことが髪の健康を取り戻す第一歩です

今生えている髪の毛は過去の産物であり、これを変えることはできない!

今、頭皮に生えている髪の毛や今生え出そうとしている髪の毛・毛穴内部に育っている髪の毛は、全て昨日までの頭皮の影響で育った過去のものです。
過去の影響で育った髪の毛は変えることはできません
「知らなかった」という方も多いのですが、変えられるのは未来に生え替わってくる髪の毛だけです。

髪が薄くなってきた…と慌てて育毛剤をふり掛けても、突然、今生えている髪の毛が太くなってボリュームアップしたり、白髪が黒髪に替わるということは無いのです。

これはAGA治療でも同じです。
薬を飲み始めたからといって、急に髪の毛が増えるということはありません。

髪の毛は毛穴の中で、新生毛として生まれ変わる為に熟成している期間(約4か月)の頭皮の栄養状態によってどこまで育つのか左右される性格があります。

ケアをはじめて4~6か月間位は、全て今までの心と身体の状態、今まで取り組んできた頭皮ケアの影響で育ってきた髪の毛ばかりなので、新しい育毛ケアをはじめてからすぐに効果を実感できるということはほとんどありません

この原則を知らないで、今生えている髪の毛を何とかしようと様々な育毛ケアを行ってしまっている場合、頭皮にダメージを与えてしまっている可能性があります

育毛ケアは、未来に生え替わってくる髪の毛の為に行うもので、変えられるのは未来に生えてくる髪の毛だけという原則を理解しておく必要があります。

ヘアサイクルを知る! 髪の毛は生まれ替わることで良くも悪くもなる!

髪の毛は1本1本生え替わる周期があり、それをヘアサイクルと言います。(図参照)

男性が3~5年、女性が4~6年が1サイクルと言われていますが、このサイクルが乱れ寿命を全うできない髪の毛が増えることで薄毛が進行していきます。

薄毛が進行している時とは、髪の毛の生育環境が悪化してヘアサイクルが乱れている時です。
それは、毛細血管に血が巡りづらくなってきて、頭皮の栄養状態が悪くなっている時と言えます。

前述の通り、今生えている髪の毛は、過去のものですから、今のサイクルが始まる前(数か月~数年前)からヘアサイクルが乱れ、薄毛になる兆候が始まっていた訳です。

薄毛を改善するには、ヘアサイクルの乱れを正常に戻す必要があります

それには頭皮の血の巡りを良くして健康な新生毛が育つように十分な栄養を毛根へ与え続けなければなりません。

そしてその成果がでるのは、次か、またその次あるいはその次の次のサイクルで生まれ変わってくる未来の髪の毛からという原則を理解しておく必要があります。

髪の毛を育てる力が強い人と弱い人がいるということを知る! 自分の資質にあったケアを実行する!

正常なヘアサイクルで髪の毛が生まれ替わることで健康で丈夫な髪の毛が増え薄毛が改善していきます。

効果がヘアサイクルに準ずるということは、どんなに優れた育毛剤や育毛シャンプーを使用しても、すぐに薄毛が改善することは、ほとんど無いということです。

育毛は長期戦で、新しい育毛ケアを始めたら最低でも6か月以上は継続しないとその成果はわかりません。
ただ、例外が無いわけではありません。

人には髪の毛を育てる力が強い人と弱い人がいます

髪の毛を育てる力が強い人は、そもそも薄毛になり難く、もし何らかの理由で薄毛になっても生活環境や体の栄養状態が変わったりするだけでも元のフサフサの状態に戻ったりします。
それこそ、育毛剤を使用するなど簡単なケアで比較的早い時期に改善が見られるケースがあります。

しかし、薄毛に悩んでいる人の大多数は、髪の毛を育てる力が弱い人です。

髪の毛を育てる力が弱い人が強い人と同じ育毛剤だけに頼ったケアをしても同じ効果を得るどころか、頭皮に負担を与え逆効果になりやすいのです。

残念ながら髪の毛を育てる力が強いか弱いかは、生まれ持った資質なので変えることはできません。

自分の資質に見合った方法を採ることが成果への近道になるという原則を理解しておく必要があります。

「毛髪は血余(けつよ)なり」 育毛=カラダを栄養で満たして元気にすること!

薄毛が気になりだすと、まずは育毛剤で何とかしようと考えるのは一般的なことです。
しかしながら髪の毛を育てる力が弱い人が薄毛を改善するには、育毛剤だけの簡単なケアでは難しいのが現実です。

そもそも育毛剤の主な役割とはなんでしょうか?

育毛剤の主な役割は、頭皮環境を改善し、健康な髪の成長をサポートすることです。
具体的には以下のような役割を果たします

  1. 血行促進:頭皮の血行を良くし、毛根に栄養を行き渡らせる。
  2. 頭皮の環境改善:健康的な毛髪が生える環境を整える。
  3. 成長促進:毛母細胞を刺激し、髪の成長を促進する。
  4. 脱毛予防:髪の脱毛を防ぎ、抜け毛を減らす。

育毛剤に配合される成分の多くは、血行を良くする効果がある成分です。
育毛剤の一番の役割は、頭皮の血行を良くすることです。
育毛剤を塗布した後に頭皮マッサージをするようお勧めするのも頭皮の血行を良くするのが目的です。

すべては頭皮の血の巡りを良くして毛根に栄養を送りこむことで、毛母細胞の活動を活発にし、ヘアサイクルを全うできる健康で丈夫な新生毛を作ることが目的です。

しかし、ここで問題になるのが、いくら血行を良くしても血液中に充分な栄養が含まれていなければ髪の毛は育たないということです。

中国のことわざで「毛髪は血余(けつよ)なり」という言葉があります。

血余とは、“余った栄養”という意味で、 これは現代の医学でも明らかになっていてます。

人はモノを食べ、食べ物から血液を作り、栄養は血液によって各器官に運ばれます。
そしてその栄養が体の各器官に運ばれるには順番があります。

まず最初に栄養が運ばれるのが、生命を維持する脳や心臓などの内臓器官、つぎに体を動かす筋肉などの器官、最後に残った栄養がやっと髪の毛や爪などに運ばれる仕組みになっています。

上図の「栄養が足りている状態」のように有り余る程の充分な栄養で3つの水槽を満たしていないと髪の毛に栄養が届く前に他の器官で必要な栄養が吸収されてしまい、髪の毛まで行き渡らなくなるわけです。
「栄養が足りていない状態」で、「亜鉛」や「ノコギリヤシ」などの育毛サプリを飲用しても髪に届く前に他の器官で栄養が吸収されてしまい殆ど効果は見込めません

髪は、毛母細胞が毛細血管より栄養を摂って毛質に変化し、それが一日に0.3mm~0.4mmずつ皮膚の外に押し出されて毛髪になって行きます。

生命を維持する以上の十分な栄養を取らなければ、毛母細胞が活発に分裂を繰り返すことができず丈夫な髪の毛は生えてきません

育毛剤や頭皮マッサージで血行を良くしても毛根に送り込まれる血液に栄養が含まれていなければ、期待する効果は得られない正しい育毛の第一歩は“カラダ”を栄養で満たすこと
この原則を理解しておく必要があります。

健康な頭皮から育つ毛根の形状と不健康な頭皮から育つ毛根の形状を知る!頭皮が健康か、不健康化か?

薄毛が進行している状態の頭皮を人のカラダに例えると疲れが溜まって病んで寝込んでいる時に該当するのかもしれません。

そんな時は、栄養のある食事をしっかり摂り、ゆっくり睡眠をとり十分な休息をとって回復に努める必要があります。
疲れが溜まっている時に無理をすると状態を悪化させ回復に時間がかかってしまいます。

頭皮も同じで状態が悪いときに無理に発毛させようとして、刺激の強い育毛剤やシャンプーを使用すると改善どころかさらに状態を悪化させることになり兼ねません。

下の写真は自然に脱毛した髪の毛の毛根を電子顕微鏡で見たものです。

左上の自然脱毛が健康な状態の毛根で、きれいな球体になっています。

健康な頭皮からは左上の毛根の形をした髪の毛が育ち、寿命を全うして自然に抜け落ちます。

その他は栄養不足、アレルギー、刺激の強いシャンプーでの洗髪のやり過ぎ、誤った育毛剤でのケアのやり過ぎなど様々な理由で弱った毛穴から抜け落ちた髪の毛の毛根の状態です。

このような毛根の髪の毛は寿命を全うできず、育ち切らないまま抜け落ちてしまうのです。

薄毛に悩む方は、きれいな球体の毛根より、形のいびつな毛根の比率の方が高くなっています。
いびつな形状の毛根の比率が高くなってしまうまでには、通常の場合、何回かのヘアサイクル(=数か月~数年)を経ています。
そしてその主な原因は、過去の生活習慣(食事・睡眠・運動・ストレス・刺激の強いシャンプーや育毛剤でのケアなど)によるものと言われています。

現在生えている髪の毛や今熟成を始めてしまっている新生毛は、昨日までの生活習慣で育ったものですので変えることはできません

数か月前、数年前から続けてしまっている髪の毛にとって良くない生活習慣を見直さなければ、これから芽吹いてくる新生毛も正常に育たちません

正常な毛根の状態の髪の毛の比率の方を増やすこと(=ヘアサイクルの正常化)を目指して正しい育毛ケアを行うのが原則でありその方法を理解しておく必要があります。

育毛ケア成功への近道は、生活習慣の見直しから!

「抜け毛が増えてきた…」
「生え際や分け目が薄くなってきた気がする…」

そんな方から「どの育毛剤を選べばいいですか?」というご相談を受けます。
「まずは、体を健康で元気にすることを始めた方がいいですよ」と私はお伝えします。

具体的には、

  • 食事(栄養状態)を見直す
  • 睡眠の質を高める
  • 適度な運動を行い基礎体温を上げる
  • ストレスを軽減する         …などです。

すでに育毛剤などで、何らかの育毛ケアをしているけど「効果が実感できない」というご相談にも上記を見直したうえで、その方法を選択し直すことをお薦めしています。

育毛ケア成功のポイントは髪の毛や頭皮を改善しようと考えるのではなく、過去の生活習慣を変えてカラダを健康で元気にするという観点ではじめることです。
カラダが健康で元気に戻れば、髪と頭皮だけでなく、お肌も調子が良くなり、爪もきれいになり、若々しさも取り戻せます。

本気で育毛ケアに取り組むなら、今日から全ての習慣を劇的に変えることが理想です。
ですが、まずは昨日より今日、今日より明日…というようにできることから着実に過去より良い習慣を取り入れていくのが現実的なのかもしれません

カラダを元気にする睡眠法や運動法は様々な書籍などもありますのでそれらを参考に今日からでもはじめられると思いますが、難しいのが栄養の見直しです

現代人は慢性的な栄養不足だという指摘があります。

高カロリーな食事や添加物の入った加工食品・ジュース類など、食生活の欧米化による変化が栄養不足・偏りの原因の一つと言われています。

さらにストレス、薬、煙草など、せっかく採った栄養素を壊してしまうものもあり、現代人は慢性的な栄養不足になる要素を抱えながら生活をしています。

これが若年層の抜け毛や薄毛を促進しているという説もあります

あるTV番組では、専門家が、現代の食生活では、1回の食事に30数種類のおかずを食べる必要があると解説していました

現代の食べものは、それだけ栄養素が無くなっているのです。
栄養は量を多く食べても摂れません。
体内で作ることが出来ない栄養素を毎日の食事からバランスよく摂らなければならないのです。

その、1日に必要な栄養素とは、「アミノ酸8種類以上、ビタミン18種類以上、ミネラル20種類以上と言われています。

しかし、現実的にはこれだけの栄養素を普段の食事(生活)から摂取することは、極めて困難です。
ほぼ不可能といって
過言ではありません

育毛の成否は、カラダを栄養で満たして血余の状態にすることが何よりも重要です。
通常の食事でそれができれば理想ですが、それは難しいのが現実です。

食事だけで摂れない栄養素はサプリメント(健康補助食品)で補食することが好ましいと考えられています。

例えば、育毛サロンでは、ホームケアに育毛剤とサプリメントをセットで使用することをお薦めします。
これってサロンが儲けようとして売りつけている訳ではないんです。

どんなに良い施術をしても、どんなに良い育毛剤を提供しても、体が“栄養不足”の状態では目指す効果が得られないことをプロの施術者は知っているからなんですね。

髪の毛や頭皮だけを何とかしようとすると育毛は上手くいきません

カラダを栄養で満たし血余の状態する
普段の食事だけで血余の状態にすることが難しければ、サプリメントを活用することも検討する
良質な睡眠と適度な運動ストレスをコントロールして心と身体を健康で元気に戻すことを目指す
その上で、髪の毛と頭皮に負担のかからない安全で高品質な育毛剤やシャンプーを使用してケアをする。
これが育毛ケアの原則です。

抜け毛が増えた…。 薄毛が気になり始めた…。
そんな時、ほとんどの方が「まずは育毛剤でなんとかしよう」と考えて
育毛剤選びから始めていたのではないかと思います。

なかなか思うような効果が得られず、育毛剤から育毛剤へ渡り歩く育毛剤ジプシーの状態になってしまう方もたくさん見てきました。

これまで、様々な育毛剤を使用して効果が実感できなかった方は、どちらかというと髪の毛を育てる力が弱い傾向にあると思います。
恐らく育毛剤だけに頼る育毛法では効果に違いはでません。

今、この瞬間のあなたの生活習慣、心と身体の状態で未来に生えてくる髪の毛が決まってしまいます。
育毛剤頼りのケアは止めて、栄養・睡眠・運動・ストレスなど生活習慣について改善することを第一優先で取り組みましょう

まとめ

  • 育毛ケアを成功させるには、表面的なケアだけではなく、根本的なアプローチが必要です。
  • 髪の毛は「過去の産物」であり、現在生えている髪は昨日までの生活習慣や頭皮環境の影響を受けていることを理解することが重要です。
  • ヘアサイクルを正常化し、健康な頭皮環境を整えるためには、頭皮の血流を促進し、毛根に十分な栄養を届けることが不可欠です。
  • 育毛剤の使用だけに頼らず、栄養バランスの整った食生活や質の高い睡眠、適度な運動、ストレス軽減といった生活習慣の見直しが必要です。
  • 頭皮の健康を損なう可能性のある刺激の強いシャンプーや育毛剤の使用を控え、自分の体質や頭皮環境に合ったケアを行うことが大切です。
  • 「毛髪は血余なり」という言葉が示すように、体内の栄養が豊富であることが、髪の健康を支える基盤となります。現代人は食生活の偏りや栄養不足に陥りやすいため、食事から必要な栄養素をバランスよく摂取する努力が必要です。
  • 日常の食事だけで全ての必要な栄養素を摂取することは難しいため、場合によってはサプリメントを活用することも一つの手段となります。
  • 髪の毛の改善は長期的な取り組みが求められるものです。即効性を求めず、少しずつ生活習慣を改善し、未来に向けて健康な髪を育てるための準備を進めていきましょう

髪の健康は、体全体の健康状態と密接に関わっています。
頭皮や毛髪を改善することを目指すのではなく、まずは体全体を元気にするという視点で取り組むことで、最終的に美しく健康な髪を取り戻すことができるのです。

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